えいいく!

オーストラリアに約10年いたママが少ないお金で英語育児をしています

幼児からの英語教育って意味ない?子供の英語教育のメリットデメリットを実体験も含めお伝えします

(ブログお引越しの関係で、古い記事の日付が新しくなってしまっています。)

最近は、幼児期むしろ赤ちゃんの時から英語教育を進める人や宣伝が増えましたが、実際、その効果はあるのかな?って疑問ですよね。

実体験から言うと、効果はあると感じています!

現在4歳の娘には、0歳の時から英語を聞かせたり見せたりしていますが、聞こえてくる英語を発音も文章もそのままマネしていますし、

いつの間にか覚えて、急にそれを発したりします。(笑)

私自身も幼児からではないですが、小学生から英会話教室に通っていて、ずっと英語の成績は良かったですよ。

私は基本的には早期英語教育は良いと思っていますが、もちろんデメリットもいくつかあるので、私が色々と調べた中で分かった英語教育のメリットデメリットと実際にあった効果をこの記事でご紹介したいと思います。

英語教育で迷われている方の参考になれば嬉しいです☆

早期英語教育のメリットとは?

「英語耳」の形成ができる(臨界期と周波数)
英語耳

乳幼児の耳はとっても柔軟で、どんな音も吸収できます。

けれど、10歳~11歳頃には母語と環境に適した耳が完成して、成長した耳は柔軟性がなくなるんだそうですよ。

そのため、一般的に言語の音を吸収するには9歳までが良いと言われています!

それを『臨界期』と呼びます。

そして、日本語にはない英語の音、例えば『r』や『th』などを日本語とは別で聞き分けられる耳を『英語耳』と言います。

静岡大学教育学部の白畑知彦教授は、著書『英語取得の「常識」「非常識」』にて以下のように述べています。

日本人の意味は日本語だけ聞き取ることができる「日本語耳」になっており、英語を理解し、また話せるようになるには、英語母語話者のような英語に反応する「英語耳」を育てなければならない

引用:白畑知彦編著、若林茂則・須田孝司著「英語習得の「常識」「非常識」」大修館書店 2006年9月 128-129p

もちろん、大人になってから英語を勉強しても、話せるようになる人はたくさんいますよ!

でも、人の耳が聞き取れる音の周波数は言語によって違っていて、

英語は、
アメリカ英語は750~5000ヘルツ
イギリス英語は2000~12000ヘルツ
日本語は125~1500ヘルツ
の音域になっています。

言語周波数域

出典:日本語のチカラ

赤い部分は、音が集中している範囲です。

これがどういうことがと言うと、耳が成長してから英語を母国語としている人が日本語を習得するのは簡単だけれども、日本語を母国語としている人が英語を習得するのはとても難しい、大変ということです。

日本語の母音って5つしかないけれど、英語は24つ以上もあるんですよ。

「L」と「R」が分かっても、微妙な「ア」や「オ」など日本語にはない音を聞き取るのも発音するのも難しい!

『臨界期』に英語をたくさん聞かせておくと、ネイティブの発音が聞き取りやすくなって英語習得が早くなり、私達大人が苦労したようなことはなく英語を覚えていくことができます。

英語が聞き取れる子は、幼少期から聞き流しで英語を聞いている子が多いですよ。

英語のコミュニケーション能力が身に付く

赤ちゃんや小さい子供は、遊びやジェスチャーなどで身体を使ったり、顔の表情やしぐさなどで言語を習得していきます。

大人が子供にたくさん語りかけてあげることで、言語の力を育てることができるのだそうですよ。

それが英語でも実証されていて、、

2007年に小学校3年生~6年生の間に英語のレッスンを受けた6年生の生徒を対象に、外国人とのスピーキングテストの検証が行われ、

そのスピーキングテストでは、『集中力』や『表現力』の評価が高く、受け答えもカタカナ英語ではなく、キレイなネイティブに近い発音で応答できているという結果がでました。

さらには、

質問に対しての反応が早さや、あいづちを入れたりなどコミュニケーションの土台である『聞く力』が育っていることが見られたり、

ジェスチャーや写真などを使って、積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿が見られて、

英語が怖くて黙ってしまうことがなく、英語でのコミュニケーション能力が育っていると分かったそうです。

日本人自分から発するのが苦手な人が多いですよね。だから、早めに英語に慣れさせておくことで、怖がることなく英語でのコミュニケーション能力を向上させることに繋がるのですね。

将来の就職の幅を広げることができる

英語は今でも就活時に見られるポイントであるし、強みの一つとしてアピールできますよね。

最近は社内共通語が英語になっている会社も増えてきていて、コンピューター技術の基盤やネット上の様々な情報が英語があることが多いです。

英語ができることでられる情報も大幅に増えますし、海外市場も視野に入れることができるので、企業にとっては有利な人材になります。

私の友人は、帰国子女で英語が社内共通語の会社に勤めているんですが、彼女が言っていたのは、『社内で英語が少し話せる程度では、社内の会議にもついてこれないし、昇進できる可能性も低い』とのことでした。 

それを聞いた時は、(外資系の会社ですが)日本支社なのに英語ができないと昇進できないなんて…とびっくりしてしまいました!やっぱり英語が必須なんだと痛感しましたね。。

やっぱり英語ができていると、私の友人のような会社で働きたいと思った時に自信を持って応募できますし、海外での就職も視野に入れることができます。

そうした時に、子供が自分がやりたいことに進むために、日本だけにとどまらず、世界規模で考えることも可能になって、就職の選択肢が増えますよね!

早期英語教育のデメリットとは

セミリンガルになる可能性

早期英語教育に関しては、様々な意見があります。

その一つが、小さいうちから英語を教えていると『セミリンガル』になるという批判です。

セミリンガル』とは、2つの言語を両方とも日常会話レベルのコミュニケーションは取れるけれども、深く考えたり複雑な表現などを言葉に表せない状態のことを言います。

これのほとんどは、海外在住で日本語の環境にいない日本人に多い傾向があるのだそうですよ。

日本でも家の中で英語漬けの生活にしていたり、インターナショナルスクールに通わせていたら、心配になるかも方もいるかもしれませんが、

日本に住んでいたら、環境は完全に日本語なので日本語に触れずに生活することはほぼ無理に近いです!

色々な育児本にも書いてありますが、アメリカで英語学校を経営していて、いくつかの育児本を執筆している船津徹さんも、書籍『世界標準の子育て(2017年)』の中で、

日本国内で育てる場合には、英語を早く覚えさせても日本語がおかしくなることはありません。

引用:2017年 ダイヤモンド社出版 船津徹 「世界標準の子育て」143P

と述べています。

なので、日本に住んでいる分には英語教育が母国語に大きく影響することはなく、セミリンガルになる可能性はないに等しいので、心配する必要はありませんよ!

英語教育には費用がかかる

やっぱりここが一番ネックじゃないですか? 少なからず私はそうです。(笑)

習い事や教育は全てそうですが、英語を学ばせるのは、やっぱりお金がかかってきますよね。

ざっくりですが、定番の英語教育の金額を表にまとめてみました。

英語教育金額表

インターナショナルスクールは、やっぱり高額ですね。

保育で補助金が受けられたとしたら、年間約45万円が給付されるみたいなんですが、それでも高いですね。。

私の家の近くのインターも金額を調べてみましたが、幼稚園の部門で年間の費用が軽く200万円近くかかってました…。

英語教室は、グループやマンツーマンなどによって金額が上下するので、より良い教育を受けさせたいとなると高額になってきますよね。

最近はオンライン教室なんかも増えてきて、教室に通わせるよりはかなり安くできるみたいですが、

いきなり英語をアウトプットさせるのではなくて、インプットから始めて、それからアウトプットできる場を作る方が無駄なく教室の先生と交流することができるんじゃないかなと思っています。

そう考えると、まずは英語教材や無料のものなどからインプットを家庭で始めるのが、家計にも負担が少ないのでオススメです。

親が強要してしまう可能性

これは教育熱心な両親ほど可能性があると思うのですが、子供に英語教育をさせたいばっかりに子供の興味や好きなことを無視して押し付けてしまう可能性が出てきます。

子供が英語に興味がなかったり、好きではないのに強要してしまうと、苦手意識が出てきてしまい、逆に英語が嫌いになってしまうかもしれません。

実際に、私のママ友はけっこう子供に強要していて、子供が「英語が嫌い」と言って困っていると言っていました。(+o+)

英語が嫌いになってしまったら、英語を見ることも聞くことも嫌になって、小学校から始まる授業も嫌いな教科の一つになって、逆効果なってしまいます。

私もバイリンガルにさせたい!という気持ちがあるので、子供に押し付けないように自然と生活の中に取り入れていくように心掛けています。

子供に英語を覚えてほしい気持ちも分かりますが、親のための教育ではありません。

子供が興味がなかったり、好きではなさそうなら、一旦休憩して日にちを置いてから、再度挑戦してみるのが良いと思います。

子供がずっと英語が嫌いとならないためにも、必ずお子さんも様子を観察しながら、英語に触れさせてあげるようにしてくださいね。

幼児英語教育の効果

幼少期から英語を習っていた子供達は、早期英語教育によって英語が上達したという効果は実際に現れているようですよ。

2005年に、高校生を対象にした英語学習におけるモチベーションと英語の熟達度の調査では、中学校以前から英語を勉強している子は、英語学習に対するモチベーションが高いことが分かりました。

また、早期英語教育経験者の方が、リスニングとリーディングの得点が高いことも分かったそうです。

「早期英語教育は英語力に関しても長期的な効果があるということを予測できるであろう。」

引用: カレイラ松崎順子著「JGSS-2010 による早期英語教育に関する意識調査」日本版総合的社会調査共同研究拠点 研究論文集[11] JGSS Research Series No.8 2011年3月 35-45p

また英語教育を受けた小学校5、6年生を対象に行った調査では、コミュニケーション能力が育成され、普段の生活でも積極的に英語を使おうとするようになることが分かったそうです。

「児童の英語によるコミュニケーションについての自己有能感が高められ,授業外や学校外においても,英語を使ったコミュニケーション活動を積極的に行おうとする情意・態度として現れ始めている」

引用:松宮新吾著 「小学校外国語活動の教育効果と課題に関する研究-日本型早期英語教育の学習モデルの構築と検証-」兵庫教育大学 教育実践学論集 第15号 2014年3月 53-65p

バイリンガル教育で有名な子で言うと、岡山県の後楽園で英語ボランティアの活動を行っている川上君という子がいます。

よくメディアに出ています。

川上君は0歳の時から自宅で英語学習をしていたそうで、9歳の頃には下の動画のように外国人観光客にガイドを始めるくらい英語が身についていたそうですよ!(かなり英語上手いです。)

この川上君以外にも、小学生のうちに英検1級を取ってしまったりする子もちらほらいて、早期英語教育の効果があちこちで表れているのが分かりますよね。

英語教育を4、5歳から始めているオランダでは、9割以上のオランダ人(15歳未満除く)が英語が話せるんだそうですよ。

私もオーストラリア時代に何人かのオランダ人に会いましたが、ほんとにみんな英語がネイティブ並にペラペラでした!

実際に出ている効果を見ると、英語を早くから学ばせることは無駄ではないと感じます。

早期英語教育はやる価値はある

このように早期英語教育に関しては、長年賛否両論があって、メリットデメリットがあります。

そして、実際に効果が出ている子もいれば、出ていない子ももちろんいます。

なので、一概に何が正しい、何をすべきとは言えないと思っています。

ただ効果が出ているのを見ると、早期英語教育をやってみる価値はありそうですよね!

何事も始めなければそのままですし、やってみたら何か起こるかもしれません。

まずは、簡単なものやコストがかからないものから始めてみたら、始めの一歩が踏みやすいんじゃないですかね。(*^-^*)

<参考文献>
・ 蘇佩怡(2009)「多文化的視点から見た言語学習についての考察ー民族耳を中心にー」(早稲田大学大学院教育学研究科紀要 別冊16号2 2009年3月 pp.217-226
・ 白畑知彦編著、若林茂則・須田孝司著(2006)「英語習得の「常識」「非常識」」大修館書店 2006年9月 pp.128-129
・城一道子(2013)「幼児期・児童期における早期英語教育のあり方― 小学校外国語活動で身につけられるコミュニケーション能力に関する考察をとおして―」(教育総合研究 : 江戸川大学教職課程センター紀要 (2) 2013年 pp.17-25)
・松繁寿和(2001)「大学卒業生の英語能力と所得:日本社会にイングリッシュ・ディバイドは生じているか」大阪大学大学院 国際公共政策研究科 2001年11月 Discussion Paper 01-18
・船津徹(2017)『世界標準の子育て』ダイヤモンド社 pp.143
・ISI国際学院留学センター<https://www.isi-ryugaku.com/ryugakublog/32357>2020年7月4日アクセス
・ほけんROOM 学資保険<https://hoken-room.jp/student/7724>2020年7月4日アクセス
・ THE INTERNATIONAL SCHOOL TIMES<https://istimes.net/articles/1258 >2020年7月9日アクセス
・靜哲人(2007)「Effects of learning English in elementary school days, on the proficiency of and the
attitudes towards, the language in high school years (Ⅱ)」(大学英語教育学会:JACET Journal紀要 45号 2007年10月 pp.31-45)
・ カレイラ松崎順子(2011)「JGSS-2010 による早期英語教育に関する意識調査」(日本版総合的社会調査共同研究拠点 研究論文集[11] JGSS Research Series No.8 大阪商業大学JGSS研究センター編 2011年3月 pp.35-45)
・松宮新吾(2014)「小学校外国語活動の教育効果と課題に関する研究-日本型早期英語教育の学習モデルの構築と検証-」(兵庫教育大学 教育実践学論集 第15号 2014年3月 pp.53-65<http://repository.hyogo-u.ac.jp/dspace/bitstream/10132/15349/1/AA114330270150005.pdf>)
・子供英語タイムズ<https://world-family.co.jp/cetimes/feature/english/article-296.html>2021年3月アクセス